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犬神家の一族2008年02月19日 00時59分29秒

新作版をやっとTVで観た。 前作のほぼ完全に焼き直しだが、細かいしぐさがくどくなっており、いまいち興ざめのシーンが多い。役者も、心機一転だが、演技が不自然。以前の角川映画全盛期の頃の熱気と迫力も無く、わざわざリメークした意味が良くわからなかった。全編思い出のシーンばかりだが、松島菜々子もあまり色っぽくないし、深キョンも坂口良子には及びもつかない。三谷こうきにいたっては最悪。ぶち壊し。私の大好きな岸田今日子のお琴の先生のモノローグも、草笛光子が役柄を変えて出演。これも岸田のあのおどろおどろしさのほうがずいぶん良い演出だと思う。前作では関根勉ばりに大声を上げていた神主の大滝先生再演はとても喜ばしいのだが、その声の細さに、寄る年波の悲しみを感じた。ラストもどういうわけかまっすぐな道を歩く金田一。鉄道の旅情がこの映画を盛り上げるのに、最後の汽笛の音も無く残念。 というわけで、見比べてみる以上の発見は無く、前作の偉大さだけが際立つ一品であった。 市川巨匠に合掌。

したらば
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